「サーバーを友人に持ちたいと思うことがある。それは,旅路の途中でじぶんがたった一人だと言うことに気がついたときにである」。
ネットメディア社は「世界最小のイーサネット・ウェブサーバー」になる,「サイトプレイヤー」という2.8cm x 2.3cmの基盤を発表した。サイトプレイヤーは,5KBに満たないシステムコントロールプログラムで制御されている。心臓部はインテル社のフィリップス8051,64KBの不揮発性フラッシュメモリと1KBの揮発性RAMを内蔵。イーサーネットとシリアルのコネクタを装備する。ウェブサイトのサーバーとしては能力が足りないが,補助的なサブシステムとしてウェブページを送信することはできる。価格は39ドル。
ポケットどころの話じゃない。手の平にも包み込まれてしまうサーバーは,その存在自体,とても詩的な部分がある。すごい! こういうのスキスキ(^_^)。現時点ではサイトプレイヤー上に置いたウェブページに,世界中からのアクセスを望むのは難しいが,記事の最後にあるように,処理速度の向上と,機器のナノ化は,爆発的に進化している。サイトプレイヤーが,1日100万アクセスを処理することもいつの日か可能となるだろう。そのとき,ポケットの中のサーバーは,いったいなにを発信しているのか?
寺山修司のようにブレヒトの言葉を引用すれば,「繋がることがない時代は不幸だが,繋がることを必要とする時代は,もっと不幸だ」といったことを考えてみる。人は24時間はしゃべり続けることはできないが,私の代行者たるウェブサーバーは,いつも,誰に対しても,冗舌にしゃべり続けている,繋がり続けている。そしてそれは,皆が望んでいること。ポケットの中のサーバーは,どれだけ寂しい存在なのだろう,でも,望まれている存在なのだろう?
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